2023年11月21日 • 所要時間:約4分

集中できない職場とは

オフィスで気が散ってしまう理由

by Christine Gritter

現代のワークプレイスは、コラボレーションとコミュニケーションの場として大きな役割を果たしていますが、その一方で、集中力を要する作業にも適した空間を提供しなければなりません。近年のハイブリッドワークモデルの導入により、多くの人々が集中するためにオフィス以外の場に作業スペースを求めるようになりました。しかし時には、コラボレーション作業と同時に集中力を要する作業を同時にこなさなければならない場合もあります。コラボレーションと作業集中を両立できるワークプレイスはどのように実現できるのでしょうか。

この記事ではオフィスでの作業集中における課題を検討し、解決策をご紹介します。

作業集中における課題の理解

仕事で集中できないことは、従業員にとって一番の不満材料となります。なぜ集中できないのでしょうか。職場ではさまざまな業務が競合することが多く、また特定の作業も異なり、さらに集中できる方法や環境にも個人差があります。この課題に、万能な解決策はありません。最も効率的な方法は、人それぞれだからです。

組織にとって重要なことは、作業集中はそれぞれの作業や個人により異なる、ということを理解することです。この事実を認識することにより、企業文化や方針を反映し、従業員のニーズに沿ったワークスペースを提供する、ワークプレイスを創造することができるのです。

 

脳が働くしくみ

作業集中を一概に定義することはできません。単に自分ひとりで仕事をするのとはニュアンスが異なります。認知科学の発展は、能力を最大限に発揮できる状況・環境についての解明をサポートしています。では、オフィスで作業集中が効率的に行われる状況・環境と、それらを妨げる要因について理解を深めるために、脳の働きを見てみましょう。

注意と慣行

作業を完了させるためには注意をコントロールし、適切な行動を導きだす情報に意識を向けなければなりません。また、どの程度の注意力を要するかは、その作業にどれ程精通しているかによって決まります。知っていることが多ければ多いほど、より自動的に処理できるように感じられます。脳は既存の知識を使うので、すでに経験・実施済みの作業を完了するために外部からの情報を必要としません。逆に、作業について知っていることが少なければ、脳は新しい情報を処理する必要があります。

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気をそらすもの、干渉、割り込み

作業がより新しく、または複雑なほど、集中力のコントロールと慎重さが要となります。

周囲に雑音や動きがあると、脳はそれら外部情報の必要性を判断する処理に追われてしまいます。また予期せぬものであればあるほど、私たちはより注意を引かれやすくなります。火災報知器や救急車のサイレンのような非日常的な騒音や活動は、目の前の作業から注意をそらす大きな理由になります。

残念ながら、脳はこのような緊急事態と、それらと無関係な情報を区別することができません。私たちが目の前の作業から引き離される主な要因は3つあります。

  • 気をそらすもの:作業以外の予期していない事柄や情報が注意を引き付ける場合。予期せぬ情報だから無益だというわけではありませんが、集中力を維持することは難しくなります。
  • 干渉:作業に必要な情報とそれ以外の情報が混同してしまう場合。これは、取り組んでいる作業自体には有益でない可能性もありますが、別のより重要な作業への切り替えを促す場合もあります。
  • 割り込み:気晴らしや干渉が完全に取り組んでいた作業から引き離し、新しい作業の開始となる場合。平均的に、人が作業に取り組み直すのに要する時間は数秒から1分程度です。

 

境界線の設定

コラボレーションのためにデザインされた仕事環境では、集中を妨げる聴覚的・視覚的要因を最小化する場所を探すことは困難です。アコースティックソリューションは、ワークプレイス全体の騒音レベルを改善することができます。

視覚的に境界線を設定すると、「割り込み」を防ぎ、ワークプレス内で集中できるエリアがあることを示すことができます。特定の人に割り当てられておらず、周囲から独立し、完全に囲われたプライベートなスペースがあると、目の前の作業に完全に集中したいときにその場所を選択することができます。

集中をサポートするワークプレイスデザイン

優れたデザインのワークプレイスは、集中力を要する個人作業からコラボレーションが必要なチームワーク、さらに休息や同僚とのつながりなど1日中さまざまな活動をする従業員にスペースの選択肢を提供します。総合的なアプローチは、多様性、選択、コントロール、そして効率を回復するサポートとなるウェルビーイングをもたらすスペースを組み込むことで、従業員の満足度と生産性を高めることができます。 

アコースティックとデザインに関する詳細

過度な騒音は従業員のよくある不満であり、注意散漫の原因となって生産性を低下させます。音がどのように職場に伝わり、どのような技術がオフィスのアコースティク性能を向上させるかについての詳細は、アコースティックのページをご覧ください。

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