2023年6月13日 • 所要時間:約4分

職場環境に変化をもたらしている4つのトレンド

未来の職場環境を考えるうえで、現在起こっている変化について紹介します

by Haworth, Inc.

職場環境は常に進化しています。雇用主も従業員も、いつ、どこで、どのように仕事を遂行するかという問題について、新たに生じるニーズや期待に絶えず対応し続けています。私たちが前に進んでいくためには、職場環境やビジネスに関する最新のトレンドを理解する必要があります。

インクルーシブデザインの重要性からハイブリッドワークの増加まで、新しいトレンドは、私たちの働き方だけでなく生き方にまで変化を及ぼしています。未来に向け、いま、世界のビジネスの手法に影響を与えている4つの重要なトレンドを取り上げて紹介します。

1. デザインの公平性

インクルーシブ(包摂的)かつ、すべての人に使いやすい製品、サービス、環境を目指すのが「デザインの公平性」です。職場環境においては、デザインの公平性を第一に考えることで、ニューロダイバーシティ(脳・神経の多様性)、年齢、性別、民族性、言語、社会経済状況、障がいといった要素に対応し、すべての人が最高の状態で仕事ができるよう支援します。

デザインを通じて公平性を実現する一つの方法は、さまざまな使い方ができる順応性のあるワークプレイスやオフィス家具の配置を作ることです。広い廊下と出入口、調節可能なワークステーション、アコースティックソリューション、誰もが利用できるテクノロジーなど、オフィス空間にユニバーサルデザインの方針を導入する企業も多くなってきています。人口の15~20%の人がニューロダイバーシブであることが分かっており、神経美学に配慮して設計されたイノベーティブなスペースを設け、すべての人々の健康とウェルビーイングを支援する企業も増えています。     

すべての従業員のためになる快適で包摂的な環境づくりに加え、公平性を考慮したデザインを取り入れることで、生産性、従業員定着率、顧客満足度が向上し、評判が高くなり、イノベーションの創出にもつながります。 

2. ワークリゾート

ハイブリッドワークやフレックスタイムの増加に伴い、仕事にレジャーを取り入れたいという人々の要望に応える企業が増えています。それに伴い、豪華リゾートの快適さや体験を感じられる職場環境が設計されるようになってきています。こういった設計では、従来のオフィスのような環境よりも、旅先にいるような雰囲気づくりに努めます。

ただし、ここで重要なのは、ワークリゾートが、単に従業員に楽しい特典や豪華な気分になれる環境を提供するというだけでなく、それぞれの従業員が個々のニーズと好みに適した方法で働くことができる、信頼の文化と柔軟性を創出するものであるということです。

企業がより良い人材を得ようとするにつれて、よりインスピレーションが湧き、暖かさと心地よさがある職場にするためのリノベーションが増えると予想されます。リデザインでは、快適でリラックスした環境で同僚と話したり、つながりを持ったりする機会が増えるような居住空間の美的センスが求められます。また、休憩やエクササイズのためのリフレッシュスペースを重視する傾向も見られそうです。このオフィス体験をリゾートのようにするというトレンドは、この数年でさらに人気が高まりそうです。

3. 不確実性

スピードが速く急速に変化する今の世界では、「不確実性」は当然のことです。経済における破壊的テクノロジーから気候変動の問題や世界の政治的リーダーシップの方向性まで、未来はこれまでになく不確実なものになっています。

不確実性は職場環境にとって課題であり、チャンスでもあります。一方では、不確実性は従業員の不安やストレスを生み、生産性や士気の低下を招く可能性があります。しかし他方では、人々は状況に適応し、既成概念にとらわれず新しい解決策を考えざるを得なくなるため、不確実性はイノベーションや創造性を生む場合もあります。

不確実性に対処するカギとなるのが、柔軟性とレジリエンス(回復力)です。つまり、変化する状況に順応し、敏速に反応するワークプレイスを作り、従業員が機敏に対応し、創造性を発揮するために必要なツールやリソースを提供するということです。不確実性に向き合いながら前進し続ける人や企業が、これからの時代のリーダーになっていくことでしょう。

Saloneトレンドレポートはこちらからご覧ください。

今年度のSalone del Mobileは、デザインと創造性、そしてイノベーションを讃えた、思考を刺激するインスピレーション溢れるものでした。トレンドレポートは、ミラノデザインウィークのSalone del Mobile 2023で公開された、デザイントレンド、スペース、体験について、ヘイワースの主な考察をご紹介しています。

4. 注意の経済

今のデジタル時代において、「注意」はますます価値の高いものになりつつあります。注意をそらすものや、競合する必要性にあふれ、集中するということがこれまでになく難しくなっています。これは職場でも明らかに問題になっており、従業員に次々と押し寄せるEメール、通知、SNS、その他の注意をそらすものが、生産性や創造性に悪影響を及ぼしかねません。

一方で、注意散漫になることはチャンスでもあります。受信するすべてのメッセージに対応できない時、人は自分の感情、経験、知識に基づき判断を始めます。人が何らかの製品を購入するのは、誰かにそう言われたからではなく、その製品が個人的な喜びをもたらすからです。仕事では、様々なことに注意が向くことで、新しい決断をしたり、何かを成し遂げるための新しい方法を発見できることがあります。 

これからの仕事には課題があふれています。しかし、これはチャンスでもあります。職場環境の新しいトレンドを知り、変化を受け入れ、ものごとを行う新しい方法を取り入れることは、ペースの速い仕事の世界で成功するために役立ちます。

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