2022年4月19日 • 所要時間:約3分
もし大自然が言語を有していたとしたら、「廃棄物」という言葉は存在しないことでしょう
by Haworth, Inc.
すべての資源は自然の複雑なシステムの中の閉じたループ内で循環し、必要な場所へと栄養を届けます。廃棄物は、資源の採取、製造、消費、廃棄(ゆりかごから墓場)という従来の直線型(リニア型)経済に基づいた人間が作り出した問題です。一方、循環型経済は、資源の採取、製造、消費、修理、再利用、リサイクル/再生(ゆりかごからゆりかご)というステップを踏みます。 循環型経済をサポートするためのヘイワースの2025年のコミットメントに向けて取り組む中で、ヘイワースのデザイン哲学と戦略は、「サーキュラーデザイン原理を用いた新しい製品を100%用いることで、サステナブルなオフィス家具を生み出す」という重要な目標に組み込まれるようになりました。 デザイン思考はヘイワースの企業文化にしっかりと根差しており、人々に配慮した製品デザインを生み出す一方で、サステナブルな未来のために地球の資源の有効活用を徹底しています。また、世界をより良いものにするためにも取り組んでおり、これはヘイワースの戦略と利用者を考慮したデザインに見合うような素材選択を行うことを意味します。循環型経済では、資源をリサイクル、再利用、プロセスの価値を再考することによって、資源の価値を損ねることなく閉じたループ内に留めることが求められます。 ヘイワースは、こうした価値を共有するPatricia Urquiolaを始めとした建築家やデザイナーとパートナーシップを結んでいます。Patriciaは彼女が掲げるサステナブルな素材と美しさの哲学に忠実な、ミニマルで耐久性が高く高品質の素材を用いたMaariシーティングシリーズをデザインしました。彼女は2021年にヘイワースにある課題を課しました。その課題とは、ヨーロッパの現地サプライチェーンとともにチェアのアイコニックなプラスチックシェルを100%リサイクルされた素材を用いて作成し、さらにリサイクル可能なデザインを生み出すというものでした。
建築家&デザイナー
この結果として生まれたシートシェルは廃棄物ゼロで製造され、すべての脱工業化廃棄物は内部再利用または外部リサイクルのために処理されています。ヘイワースはドイツに本社を置く部品メーカーのBOCK Groupとパートナーシップを結び、リサイクルされた部品を増加させ、繊維ガラスによって強度と弾力性を向上したポリアミド(PA6)製の1片のシェルの製造を行いました。素材の半分はBOCKから送られ(廃棄物は、素材のリサイクルを行うサプライヤーへと送られ、BOCKに送り返されます)、もう半分はBOCKが原料サプライヤーから調達した100%プレコンシューマー材料を使用しています。 シェルは製品シリーズ全体で使用される主要構成要素であったため、このデザインの発展はMaariに大きな影響をもたらしました。ベストセラーカラーのブラックから着手し、その他のカラーではリサイクル要素を向上するためにサプライチェーンの可能性をサポートしました。
耐久性の高い要素のためのプラスチックモールドを生み出す際に100%リサイクルされた素材を使用することは、安定性とデザイン品質のバランスを保つ上で課題となりましたが、ヘイワースチームとパートナーは連携し、ソリューションを完成させました。以前はヨーロッパ市場のシェルに使用されていたリサイクル素材は15%でしたが、現在では100%リサイクルされた素材を使用し、リサイクルも可能なMaariがご購入いただけるようになりました。
より詳しい内容をご希望の方は、「Work from Anywhere(場所を問わない仕事の仕方)」をご覧ください。働く場所を問わないエコシステムの中で、従業員と空間が持つニーズのバランスを保つ方法をさらに詳しく見る。
布張りバージョンのMaariには、リサイクルプラスチック製のOceanic素材を使用しており、その1%は海岸域50km以内から回収したオーシャンバウンドプラスチックが使用されています。(1mの素材には約26本分のプラスチックが使用されています。) 脚部に木材をお選びいただいたくこともでき、もちろんその木材はPEFC森林認証プログラムの認証を受けたサステナブルな方法で調達されたものを使用しています。 Maariデザインの発展は、持続可能を目指す道のりの一部です。ヘイワースチームはデザイン・製造パートナーと密接に連携し、より多くの製品内でリサイクルプラスチックの使用量を向上させることができる箇所や可能性を理解し、特定しています。デザイン思考を循環型経済に合わせるという目標を掲げ、ヘイワースは学びと発展を続け、人々や地球に配慮した高品質でサステナブルなオフィス家具の製造を目指し続けます。
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