ハイブリッドワークプレイスのためのガイド

未知への恐怖を晴らす指標となる地図

バビロニアの世界図は、約2,500年前に製作された小さな粘土板で、現存する中で人類最古の世界描写とされています。この世界図に描かれている情報は時代遅れのものであっても、人類の情報、つまりこの世界図が私たちについて語る情報は決して色褪せることがありません。

地図とは、未知の世界で私たちを導く存在です。古来の地図では、知識がその規模に追いつかなくなった部分から推測が始まります。バビロニアの世界図では、恐ろしい川の岸の間に、お馴染みの、既知のバビロンの世界が描かれており、その地域の外側は、漆黒の闇が広がる場所、角のある攻撃的な牛の生息地、そして鳥さえも渡らない広大で不毛な地域など、不気味な言葉で表現されています。

詩的な言葉で表現すれば、古代地図とは「私たちにとって未知は恐ろしい存在である」という私たちがよく知る人類の真実を裏付けるものなのです。

しかし人類は、必要に迫られて、あるいはその冒険心から絶えず未知の領域を探索してきました。冒険者が帰還する度、私たちの地図と指針は着実に向上し続け、地図の確実性や信頼性が高まると、誰もが不慣れな地を進むことができるようになりました。 

ハイブリッドワークは今も未知の領域

ハイブリッドワークは比較的新しい世界です。未知の領域の探索に乗り出した初期の冒険者である一部の大胆な企業は、ハイブリッドワークを長年実行していますが、大半の私たちにとってはまだ新しい領域です。

この新しい土地は馴染みがないものではあっても、恐怖の対象にはなりません。なぜなら、ヘイワースのワークブックがあなたのガイドとなって導いてくれるからです。

 

新しい（ハイブリッド）ワークプレイスのストーリー

新しい存在の登場です。私たちはそれに関するさまざまな記事やトレンドレポートを読み漁り、数々のプレゼンテーションを見てきました。ハイブリッドワークプレイスの登場は、物理的なオフィスを代替するだけではなく、新しい働き方を私たちにもたらしてくれます。

この新しいハイブリッドワークの世界では、このワークブックがあなたを導くガイドとなります。

ハイブリッドワークは働く「場所」と「時間」に根本的な変化をもたらしました。従業員はより柔軟な時間選択と、特定のタスクに最適な場所を選ぶ主体性を得ることができ、企業はよりスマートに空間を活用できるようになりました。2023年4月現在、回答者の82パーセントはハイブリッドな働き方を実行しており、ハイブリッドワークは今後も浸透し続けるでしょう。

ここで私たちに求められているのは、これからどのように進んでいくのか、つまり未知の世界に飛び込む最善の方法を決定することです。この新しい働き方をより適切にサポートするためには、空間をどのように形成したらよいでしょうか？ 従来のオフィスの非人間的な要素を、人間性を支持して高めるような活気ある空間に置き換えるにはどうしたらよいでしょうか？

こうした問いや課題に取り組む際に、私たちのワークブックがその助けとなります。

最善のハイブリッドワークプレイス、最も人間らしさをもたらす存在

本ワークブックでは、ハイブリッドワークプレイスがもたらし得る最善の可能性に関する私たちのビジョンを示しています。ハイブリッドワークプレイスは人間的要素を強調するものです。私たちは「空間」についてたびたび言及する一方で、こうした空間は「空っぽ」ではないということを今一度思い出すことが大切です。これらの空間は私たちの（仕事）生活のストーリーが展開される背景であり、その中にいる人間が発展しない限り、発展することはありません。（本質的にこれは私たちが地図を描く理由です。国立公園のハイキングコースは、人々が実際にトレッキングを楽しんで初めて完成するものなのです。）

本ワークブックは私たちのハイブリッドワーク生活内で一般的なアクティビティを中心にセッティングを紹介しており、人間工学性や照明、バイオフィリア、音響など、空間に人間性をもたらすために欠かせないトピックに注目しています。さらに、あなたがストーリーの一部となって（ハイブリッド）生活の一日を過ごします。

次はワークブックの内容の全体像をご紹介します。 

ワークブックの全体像

こちらではワークブックの内容の全体像、ハイブリッドワークプレイスの実現を導く主要セクションをご紹介します。

セッティング

ワークブックではハイブリッドワーカーをサポートする9種類のセッティングを紹介しています。これらは作業場所として決めた場所に取り入れたり、反映させることができ、これにはハイブリッドミーティング空間、柔軟なコラボレーション空間、トレーニングエリア、作業集中セッティング、一時的な空間、ブレインストーミングセッティング、ラウンジエリア、オフィス内に設置されたコワーキングカフェ（サードプレイスとセカンドプレースの融合）、プロジェクトチーム空間、割り当てられた作業空間が含まれています。

さらに詳しく

「万物は流転する」とヘラクレイトスが述べたように（あるいは神をたたえる言葉などの中で述べられたように）、あらゆるものは変化し続けます。ハイブリッドワーキングが普及した時代では、セッティングは柔軟に変化し、さまざまなアクティビティをサポートします。なぜならその必要性があるからです。ワークブックは複数のセッティングをより詳しく取り上げ、これらのセッティングが持つ他の可能性を見ていきます。

関連する見解

イノベーションは2つの予期せぬアイデアが衝突した時に生じます。物理的空間はこうした予想外の交わりが生じるプラットフォームのような存在です。そして素晴らしいアイデアは確かに思いがけないものかもしれませんが、こうしたアイデアは完全に偶発的なものではなく、優れたワークプレイスはこうした予期せぬ嬉しい出来事が生じる確率を高めることができるのです。本ワークブックは、物理的な空間がどのようにして私たちが関連するアイデアを思考する力を促進するのか、仕組みを考察します。例えば、ダイナミックな「空白のキャンバス」トレーニングルームは、ダイナミックな「空白のキャンバス」ブレインストーミングを促進します。

（ハイブリッド）生活の一日

あなたは、あるハイブリッドワーカーとしての一日を過ごします。これによりハイブリッドワークが普及した時代で人々の毎日のリズムを形成する共通したハイブリッドテーマを個人レベルで幅広く体験することができます。

特徴

ハイブリッドワークが普及した時代は、柔軟性やアクティブシーティングなどの新しいテーマにスポットライトを当て、人間工学やバイオフィリア、音響、照明などのなじみ深いテーマに今までにないレベルの注目をもたらしました。「特徴」セクションではこうしたアイデアを詳しく見ていきます。こうしたトピックは常に重要な存在として、オフィスの人間性に関連し続けてきました。そして多くの企業がそれぞれの空間に人間性をもたらすためにこのタイミングを活用するにつれ、こうした基本的トピックの重要性はより顕著なものとなりました。

ハイブリッドワークは、今もまだ未知の存在として捉えられるかもしれません。しかし古い地図に記されていない未知の土地のように、恐怖の対象として捉える必要はありません。本ワークブックが、皆さまのワークプレイス構築において価値あるガイドとして役立つことを心より願っております。ワークプレイスは、自宅、オフィス、あるいはサードプレイスかもしれません。そしてその空間を再形成するのはあなた自身であるかもしれないし、あなたのチームや企業であるかもしれません。あるいは、あなたのクライアントやパートナーのためにあなたが空間を再形成する場合もあるでしょう。空間や相手を問わず、本ワークブックがあなたのサポートとなることを願っています。

今こそ変化の時です。この瞬間は、以前よりもクリエイティブで意義があり、生産性と人間性の高いワークプレイスを生み出す機会をもたらしてくれます。

本ワークブックはハイブリッドワークプレイスが実現し得る新しく素晴らしい場所、勇敢な冒険家が訪れるのを待つ未知の場所のビジョンを提供します。そしてヘイワースは、あなたのビジョンを問わずその実現をしっかりとサポートいたします。